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仕事以外真剣。

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「真剣にやれ!仕事じゃねぇんだ!」人生の師と仰ぐタモリ氏の名言に従って生きることに決めました。

My Favorite Cars⑥ ランチア・ストラトス



全ては勝利の為に





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世界中のマスプロメーカーが生産した車の中でこれ程までにエポック・メイキングな物を私は他に知らない。


このランチア・ストラトスのルーツは1970年トリノ・ショーで発表された1台の奇妙なコンセプトカー。
空気を切り裂くかのような楔形デザイン、極端に低い全高、そしてその低さの為サイドドアは存在せず、大きく開くフロントウインドーからフェンダーとダッシュボードをまたいで搭乗しなければならないレイアウト。

そのコンセプトカーを元にストラトスは開発されたわけであるが、その開発目的はこの当初からはっきりしていた。
それは当時行なわれていた公道レース、すなわちラリーが1973年よりFIA統括によるWRC(ワールド・ラリー・チャンピオンシップ)として選手権化されるに伴い、それに勝てるマシンを作り上げる事。

つまりこのランチア・ストラトスという車は「レースの為に作られた市販車」であり、ツーリングカー・レースではよくある「市販車をベースにしたレーシングカー」とはそのコンセプトが根本的に異なる。
それはボディーサイズを見ればすぐに解るほど、常軌を逸している。


車幅は1.75mと3ナンバーサイズであるにかかわらず、全長はわずか3.7m。ホイールベースに至っては何と2.2m弱、現在の軽自動車よりも短い。

これは何を意味するのか?車の高速での直進安定性はホイールベースが長いほど良い。逆にホイールベースを短く、、厳密には4輪のトレッド比(左右の車輪の間隔とホイールベースの長さの比率)が1:1に近ければ近いほど直進安定性は悪くなるが、その分コーナーリングの鋭い車が出来上がる。公道を走るラリーシーンにはサーキットでは有り得ないような鋭いヘアピンカーブやガードレール、木立によって先の見えないブラインドコーナーが連続する箇所など当たり前のように存在する。そのような状況下でのレースは高速安定性よりもコーナーリングと危険回避の為の鋭い反応が重要視される。そのためストラトスは一般の市販車のような安定性は求めず、あくまでラリーでの優位性の為だけに恐ろしく敏鋭なハンドリングを手に入れた。
その操縦性は一流のドライバーをもってして「全ての道がコーナーであった方がむしろ運転しやすい。」と言わしめた程トリッキーであったが、その運動性能から現在でも「ストラトスがベストのラリー・カー」と賞賛の声を惜しまないラリー・ドライバーも多い。




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ミド・マウントに搭載されるエンジンはフェラーリ製2.4リッターV6。10月のテキストで紹介したディーノ246に搭載されていたエンジンと同じ物である。実はフィアット・ランチアグループはこのディーノそのものをその素性の良さからラリーで使用する事を検討したが、あくまでもレースでの勝利をより確実な物にする為あえてストラトスを開発したのだと言われている。ディーノを使えば開発費用は大幅に削減でき、しかも当面の成功は約束されていたにもかかわらず。である。


当時の規定で連続する18ヶ月の間に市販車の総生産台数500台を満たさなければ参戦の承諾は下りなかったため、ストラトスのWRCデビューはチャンピオンシップ創設2年目、1974年開幕戦のモンテカルロ・ラリーとなった。実はこの時までにも生産台数は500台を僅かに満たしていなかったのだが、当時のフィアット・ランチアグループのラリー界での政治的影響力はそのような事は問題にしなかった。



勝つことだけを目標に作られたストラトスは当然ながらライバルメーカーを全く相手にせず、’74年、’75年、’76年と3年連続でメイクス・タイトルを奪取したばかりでなく、ワークス活動を停止した後もプライベーターによって数え切れないほどの勝利をもぎ取り、1982年まで実に9年というレーシングカーとしては信じられない程の長い期間を第一線で活躍し続けた。


その一方で前後オーバーハングを延長してフロント、リアウイングを装着。更にターボチャージャーを搭載しパワーアップされたバージョンのストラトスもサーキットで使われた事があるが、ラリー・フィールドとは反対にそれはさほどの成功を収めるには至らなかった。





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全てはラリーに勝つ為だけに作られたストラトス、その圧倒的なパフォーマンスはまさに異次元。
「stratosfera」(イタリア語で「成層圏」)から採られたその名前はこの車にとって、それ以上相応しいものは無い。
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by jpslotus2000 | 2006-02-08 18:51 | 車好き。 | Comments(4)
Commented by まさです。 at 2006-02-08 19:40 x
おお、やっぱりアリタリアカラーのランチャやねえ。でもこっちは、ランシアっていうからしっくりきません。友達が、ラジコン持っててうらやましかったのを覚えてます。じゃまた。
Commented by ぴんく at 2006-02-09 03:07 x
ランチァもうこれはどこでもなんでもレースの為に走る車ですわねっ
目玉がかっこいいと思わせるものなので、こいつが一杯ついてないといけてません…デルタもみかける車はレース仕様のものばかりだし。こちらのメーカーはすげえ職人魂の人だねっ
女子は更にこの車わかんね~だろうねぇ
オレンジと水色のストラトスの私が見ました実写の写真探して置くぜ!
※私はネカマですから~
Commented by jpslotus2000 at 2006-02-10 17:19
attn:まささん。

やっぱストラトスはアリタリアカラーに限りますね。
ところでタミヤのプラモデルでラリー仕様のストラトスは販売されてないの、知ってました?何ででしょうねぇ・・・
Commented by jpslotus2000 at 2006-02-10 17:21
attn:ぴんく。

こっちではランチア・デルタでも右ハンドルがあるんでっせ!!
もっともランチア自体がレアだし自分が見たのも16Vだけど。
エボなんかまるっきり走ってません。ちなみにE36のM3にも右ハンがあります。
なんで日本で売らなかったかなぁ・・・